結論から言うと、車が浸水しました(白目
今回のエントリでは事象発生から見積もりまでの記録です。
おことわり:普通は車が水没したら廃車です。私は奇跡的な状態と、修理後のリスクを勘案してでも直すことを選択しましたが、普通は乗り換える選択肢になります。
修理の記録については誰の参考にもならないと思いますが、自身の思考プロセスを含めた一連の記録として記録しておきます。
- ●6/2深夜、車が水没しました。
- ●今回の浸水は「内水氾濫」でした。それもすべての要素が最悪な形で噛み合ってしまったやつ。
- ●水没状況の確認
- ●6/3AM 水が引いたので自動車保険経由でロードサービス手配
- ●6/3PM いつもお世話になっているディーラーへ入庫、センターパイプを外すと水が確認できたので排気系侵入は確定
●6/2深夜、車が水没しました。
忘れもしない2023/6/2。台風に刺激された梅雨前線が四国~関東を中心に大雨を降らせた日です。
四国や関東では線状降水帯が発生した結果・・・
実質グロ画像です(その1)
車がホイールの半分まで浸かりました(絶望
写真はハブ中心まで行っていませんが、この写真の撮影後少し水位が上がりホイールハブ半分まで(要はタイヤが半分浸かる)水に浸かりました。
グロ画像その2。
水位的にマフラーも水に浸かりました。何とかならないかと思ってマフラーの穴をガムテープで塞いでみましたが、まぁ焼け石に水でしたね。。。(工場へ持ち込みした際に、排気系に水浸入が確認されました)
この文章を書いてる今もこの写真はトラウマレベル。
●今回の浸水は「内水氾濫」でした。それもすべての要素が最悪な形で噛み合ってしまったやつ。
・氾濫には二種類あり、今回遭遇してしまったのは内水氾濫
川の氾濫には2種類あり、「外水氾濫」と「内水氾濫」に大別されます。
外水氾濫:河川の堤防が決壊したり、堤防を越水し河川から水が流れ込んでくる状態
内水氾濫:河川は堤防の決壊や越水はないが、水位が高いため降った雨水が河川に排出できず、その地にとどまり続けてしまう状態
一般的に河川の氾濫と聞くとイメージされるのは、↓のような堤防の決壊がトリガとなるいわゆる「外水氾濫」です。
これまで浸水被害を経験したことがなかったため、堤防が決壊してないなら大丈夫でしょうと近くの河川が警戒水位まで上がっているにも関わらずそのままにしてしまいました。風呂に入った1.5時間で全く溜まっていないところからホイール半分まで水位が上昇、あっという間に浸かりました。
今思えば内水氾濫というものを知らなかったというのと、完全に正常性バイアスが働いていたためだと思います。
住む場所決めるときのハザードマップ確認、必ず外水氾濫と内水氾濫の両方を確認しような!車水没させたおじさんとの約束だぞ!!
・標高が低い河川には「感潮区間」というものが存在する
大多数の河川は最終的に海へ流れ込むわけですが、海水と交わる場所のことを「汽水域」と呼ぶのは多くの人が知っているかもしれません。
河川にはこの汽水域を含む、「感潮区間」と呼ばれる、海の潮汐によって生じる海面変動と連動する河川水位変動がある区間が存在します。
簡単に書くと、「潮の満ち干きに伴い、河川の水位変動が起きる区間」の事を感潮区間と呼びます。
関東にある河川は広大な関東平野を流れているため標高が大きく変わらない河川が多く
例えば利根川は河口からなんと80kmまでの区間が感潮区間になるようです。
(河口から80kmの地点までは、潮汐に連動して川の水位が変わるということ)
利根川河口堰 定期報告書の概要 P3
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000076768.pdf
多摩川は河口から13kmのようです。
国土技術政策総合研究所 第八章 多摩川の土砂動態 P1
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0032pdf/ks003211.pdf
河川によって異なりますが、満潮と干潮時で数十cm~1m以上の水位変動があります。
雨など、一般的に河川の水位が上昇するタイミング以外でも大きく水位が変わります。
・最悪のタイミングで雨と潮汐が噛み合った
関東の雨脚が6/3未明に一番強くなり、そこから数時間振り続けました。
1時間雨量は数十ミリ、24時間雨量も200ミリ超え。
そして6/3の東京湾の満潮はAM3時。しかも大潮です。
当然満潮水位が高くなる=河川水位も高くなる、ということです。
・河川に流れ込む雨水が短時間で急激に増加
・満潮が重なり、雨がなくても一番水位が高くなる時間
→ただでさえ水位が高くなる河川に短時間に急激に降った雨が流入し、キャパシティを超える
このコンボが発動し、我が家周辺では内水氾濫が発生しました。河川に雨水が流し込めなくなった訳ですね。
最終的に水がほぼ引くまで6時間ほどかかりました。。。
●水没状況の確認
グロ画像その3。
水が引いてから確認すると、車内への水浸入を確認しました。入ったかな?というレベルではなく、カーペットの濡れた状態を見る限り、車内床数センチ程度まで水浸入が発生している状況でした。(カーペットの上に設置するフロアマットがちょうど水に浸かるくらい)
絶望も絶望です。
また当然ではありますが、助手席下に設置していたサイバーナビのMAユニットは完全水没していました。
浸水高さ(水位)的にはカーペットの厚みを考慮すると5cm程度でしょうか?
サイドシルの上面は乾いていたので、サイドシルからの乗り越えではなく、ボディのどこかにある穴(おそらく水抜き穴か通気穴)からの侵入の模様。
●6/3AM 水が引いたので自動車保険経由でロードサービス手配
契約しているイーデザインの&eにはロードサービスが付帯しているため、専用の番号より手配。同様の出動が多いのか、なかなか電話が繋がらず。
十数回のリトライの末やっと繋がるも、ロードサービスの出動が多く、6/3中の手配は難しいかもと言われましたが、夕方頃にレッカー会社から電話があり、6/3中にDへ入庫することができました。なお手配時に「可能であれば積車を希望」と伝えていたこともあり、積車で手配してくれました。言ってみるもんですね。
ロードサービスが来るまでは、藁にもすがる思いで車内に入った水をひたすら出す作業をやっていました。
また、エンジンに水が入っているかどうかは不確定のため、エンジンはかけないようにして入庫しました。エンジンに水が入っていた場合、ウォーターハンマー現象でセルモーターを回した瞬間にエンジンが死ぬので。。。
●6/3PM いつもお世話になっているディーラーへ入庫、センターパイプを外すと水が確認できたので排気系侵入は確定
積車に積まれてドナドナされて行き、自分は鉄路でディーラーへ。
「リフトアップし、センターパイプの前側を外したところ水が出てきたので排気系に水が入っていることは確実です」
といわれてまた絶望。まぁマフラーのテールエンドはタイヤハブより若干低いため、覚悟はしていましたが。。。ガムテープでテールエンドを塞いだけど効果はありませんでした。
またこの時にタイヤのグルーブに大きな亀裂を発見。おそらく積車に積み込む際に無理な据え切りをしたため、寿命間近であったタイヤのゴムに亀裂が入ったものと思われます。
この時にD側からは
・排気系は基本的に全交換が必要になる(ただのパイプになっている部分はともかく、触媒が入っているパーツとマフラー、タービンは交換が必要)
・車内に水浸入があるので、ハーネス類の交換が必要。加えてECU等の交換が必要になる場合がある
・エンジン自体に水が入っていた場合、それを行った上でもエンジンスワップが必要になる
と言われました。
・その上で修理したとしても、一度水没しているのでどこに不調が出るかわわからない(直っても不調が出続ける可能性がある)
とも。まぁ水入ってるし仕方ない。。。
車両保険もあるし、ひとまず修理したい方向で検討しますと伝え、当日の対応は終了しました。
ここからが長い長い修理対応の始まりでした・・・
次は見積もり編です。