秋茄子といえば、嫁に食わすなという諺がありますが、
これには3種類の意味があるそうです。
今回のお話は、茄子は茄子でもNAS(Network Attatched Strage)です。
HDDに死亡前の兆候が見られたので、HDD交換とセットでNASごとリプレースを行いました。
●HDD死亡兆候
10月頃よりHDD1台のRaw Rea Error Rateが急激に上昇。
その後沈静化しましたが、やはり書込を行うと度々転送が止まるので
HDD交換をしたほうが良いと判断。
もともと、旧NASは作成から5年が経過し、HDDの稼働時間も5万時間を超えていたため
リビルドではなく全台交換を決定します。
(というか、5万時間を超えた段階で、死亡兆候があれば即全交換するつもりでした)
●旧NASは
HP MicroServer N54L上にNas4Freeを用いて構築していました。
USBブートのため、2年に1回程度のペースでUSBが死ぬ現象に悩まされながらも
OwnCloud/NextCloudの利用や、CPUには厳しいZFSなどで運用していました。
N54L+ZFSの環境では1GBx3 LAG(3GEC)のZFS転送や、
NextCloudのSSL処理でCPUが高騰するため、
HDDの交換に合わせて、将来の高速化、大容量化(後述)も見据えた環境へと
CPU強化を行うべく構成を一新することに。
●新NASパーツ選定
・CPU
これまでサーバ系含めてAMD環境ばかりを使ってきましたが、
Core i3のTシリーズである8100Tをチョイス。TDP35Wです。
バルクでしか入手できないので、MBとセットで購入。
・メモリ
安心と信頼のMicron。買った翌週にBallistixが安くなっていたのでつらい。

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・MB
安心と信頼(?)と変態のAsrockを。SATAポートの数が欲しいので、必然的にH370になりました。
B360でもサポートしているSATAポート数は変わらないのですが、
MBの価格が殆ど変わらなかったのでPCIEのレーン数でこちらに。

ASRock Intel H370チップセット搭載 Micro ATXマザーボード H370M Pro4
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・OS用ストレージ
教訓としてあった、USBブート不良を排したく、TBWに余裕のあるOptaneSSDを
ブートに使うことにしました。(メーカーサポート外)
ユーティリティいれなければただのM.2 SSDとして見えるので、
そこにOSをインストールしています。
・CPUクーラー
ずっと前から死蔵していたSamuel17を利用しました。
skyLake以降のLGA1151にに使うと割れる?という報告もありましたが
↓の人が検証しているところを見ると最終的には問題なさそうなので、利用しています。今のところ我が家でも不具合は起きていません。
・HDD
今回も東芝をチョイス。MN05ACA800です。年末の特価?でお安く、
デスクトップ用とほぼ値段が変わらなかったのでNAS用HDDデビューになりました。
当初は50TB級を目指していたのですが、予算の都合上20TB級に。
それでも旧NASの3TBx5(RAID-Zで12TB)の倍の8TBx4(RAID-Zで24TB)にできたので
まぁ及第点ということで。
併せて旧NASからのデータ移行やバックアップ用として、MD05ACA800も2台調達。
トータルで8TBを6台、48TB分をご購入。

東芝 TOSHIBA 3.5インチ 内蔵 HDD 8TB 128MB SATA 6Gbit/s 7200rpm ハードディスク MD05ACA800
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HDDはmakoroさんのいつもの儀式であるバーンイン*2を行って、事前に30TBほど書いてから問題ないことを確認して使用開始します。
・ケース
HDDが山ほど積める&全高を抑えたいとの理由からFractal Design Node 804をチョイス。
MBは併せてMicroATXとしています。
底面を利用すれば最大で3.5インチHDDを10発まで積めるのは
将来拡張としてもありがたいです。
底面のHDD搭載箇所は、大容量HDDの底面ネジとネジ位置が合わない問題があるので
無加工なら8台までとなります。何かしら対策できればいいんだけどなぁ。

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・電源
Seasonicで思考停止マンの私はFocus Plusを選択(
今回は少しコスト重視で、PrimeではなくFocusとしました。
グレードは価格の兼ね合いでGoldに。
(Platinumは省エネ効果以上に電源の価格が高いことが多いので、積極的に選ばない派です)
当初はFocusシリーズの550Wを最初考えていたのですが、SATAコネクタの数が足りなかったため、650Wへアップし着脱式(PLUS)に。
着脱式はケース内に無駄なケーブルを入れなくていいので、内部がすっきりして好きです。

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・ファン
標準装備のファンは3基しかないため、1基追加で山洋のファンをチョイス。
本当はFDBの標準装着ファンも山洋に変えたいのですが、コストが掛かりすぎるので
次回以降へ繰り越し。

オウルテック 安心の2年間交換保証 PCケース用山洋電気製標準ファン 12cm 25mm厚 2500rpm SF12-S7
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一通りそろって、いよいよ組み上げです。
●組み上げ、セットアップ
さくさくと組み上げとセットアップ。イチから作るのは久しぶりです。
CPUとメモリを取り付け、電源ユニットを接続し最低限のブートができることを確認後、
OptaneSSDとヒートシンクを取り付けておきます。
HDD側のチャンバーはストレートに風が抜けるようにファンの再配置を行います。
MB側と併せ、すべてのファンをフロントへ移設、吸気の正圧設計としました。
正圧設計でエアフローを作ると、フィルタのみにホコリが溜まるので、
掃除がしやすくなってサーバにはピッタリだと思っています。
爆熱でもないので、リアから強制的に吸い出す必要もないですし。
EPS12V電源ケーブルはイマドキのケースらしく、
穴が空いているためうまく取り回し。
NICはひとまず旧NASから使っているIntel Pro/1000 PT Dualを利用。
旧NASと同様、LACPで束ねて使います。
ちなみにPCIのフルハイトブラケットを紛失してしまったので
雑にねじりっこで固定してます。10Gbps化が目標だし、すぐ交換するしいいよね!
(大体こういうのはフラグ
OSは引き続きXigmaNAS(Nas4Free後継)をチョイス。
名前は変わりましたが、Nas4Free時代から引き続き続投です。
さくっとEtcherを使ってLiveUSBイメージからブータブルUSBを作成、
ブータブルUSBを挿して起動し、OptaneSSDにOSをインストール。
なおOptaneSSDへのOSインストールはサポート外の利用法ですので、
参考にする場合は自己責任でどうぞ。
OptaneSSDにOSのインストールが完了し、正常にブート、LAGの設定や
IPアドレスの固定など最低限の設定が済んだあとにHDDを接続し、
ZFSプールの作成などを行います。
我が家のNASはNextCloudも利用しているため、NextCloud用として200GBほど、
残りはSMB用としています。
(昔はiSCSIなんかも使っていましたが、利用しなかったので今回はやめました)
NextCloudもOwnCloudと同じ方法でインストールできますので、
さくっとインストール&さくっと証明書を作成して適用。
スループットに関しては
SMB利用:115MB/sのほぼ理論値付近(プロトコルオーバーヘッドがあるので若干理論値よりは下がる)、
NextCloud同期時は600Mbps程度は出るようになりました。
N54Lは転送時CPU利用率が100%付近で、追いついていないのが明らかだったのですが
CoreI3はCPU使用率も低いため、今後の増速にも耐えられそうです。
●今後の高速化について
現在は1Gbpsx3で宅内スイッチに接続していますが、
録画サーバからの転送等を考えると10Gbps化を検討中です。
(現在宅内コアスイッチはCisco Catalystですが流石に高くて買えないのでNetGearの予定)
NASに2ポート、録画鯖とメインマシンに1ポートのNICを増設予定です。
サーバが置いてあるリビングと、メインマシンが置いてある寝室の間の回線をどうするかは考え中ですが。
●まとめ
当初計画より容量は下がりましたが旧NASの倍の容量は確保できたので、
当分はなんとかなりそうです。旧NASは装備していたRACが欲しいところですが。
5年分のCPU強化が効いてNASアクセスがさくさくなので、活用していきたいですね。
予算に余裕ができた時点で10Gbps化したいと思いますので、またその時は記事にしたいと思います。