うん、とうとうBDが来てしまったらから先に自分の手順をメモとして出さないとね?
ということで、ひょんなことから手に入れてしまった私がアニオタになった原点のアニメのLDを手に入れてしまったのでデジタル化しましたというお話。
- ●マイモストフェイバリットアニメの一つであるYAT安心!宇宙旅行
- ●2025年8月までは一番高画質な保存メディアはLD。ひょんなことから競り落とせてしまった。
- ●LDプレイヤーもゲット
- ●LDプレイヤーのチャッキング不良を解決する
- ●なんとかして高画質で残したいので可逆圧縮キャプチャを行う
- ●AI高画質化は映像ソースがSD画質だとデメリットが見えてきてしまった
- ●せっせとデジタルアーカイブ化してたら待望のBDが!(ただし1期だけ)
- ●感想
●マイモストフェイバリットアニメの一つであるYAT安心!宇宙旅行
私をアニメオタクの道へと引きずり込んだアニメのうちの一つです。
97年にNHKで放送していました。40のオッサンが小学生の時にやってたアニメ。
今改めて見ると声優陣がかなり豪華というのもあります。(既に鬼籍に入られてる方もちらほら・・・)
1期が特に好きで当時VHSに録画して楽しんでました。
●2025年8月までは一番高画質な保存メディアはLD。ひょんなことから競り落とせてしまった。
実はこの作品、世間一般的にはそこまで人気作ではなかったこともあり、映像化に恵まれず2025年8月時点で一番画質の良い媒体がまさかの「レーザーディスク(LD)」でした。吉幾三が何者だって歌ってるアレです。
噂では制作会社のグループ・タックが倒産した際に版権問題が難しくなった、みたいなのは見かけることはありましたが真偽は不明です。
ともあれ現代的なメディアでの映像ソフトリリースはありませんでした。
そんな状態なのでLD自体が完全にコレクターアイテムと化しており、奇跡的に出品されたらなかなかの価格になるのが通例でした。。。
ところがひょんなことからLD-BOXの1/2期セットを競り落とせてしまいました。。。
最高値更新されたので自分が出せる限界を入れたらまさかの落札でした。
ブツはほぼデッドストックだったのか、押入に保管されていたような本のような特有の臭いがするやつでしたが、懸念点だったLDの経年劣化がほぼ見られない良品でした。
しかしデカい。下に置いてあるのはNitendo Swith Proコントローラーですがマジでデカい。そりゃLPレコードと同じ30cmディスクだから当たり前ではあるんですが。

30cm光ディスクなのに
・NTSC信号をアナログ記録(当然SD相当、走査線数は300-400本以上なのでVHSよりは画質は良いですが)
・両面記録なのに両面併せて100分しか記録されていない(CLVだともうちょっと記録できるはずではあるけど)
というメディアです。今から見ると20世紀のオールドメディアといった感想ですね。
●LDプレイヤーもゲット
こちらも絶版になって久しいのでヤフオクで調達。
本当は3次元Y/C分離ができる上位機種のほうが画質が良いとのことですが、こちらもプレミアになっているようで最終的にはDVL-919をゲットしました。

LDはディスクが大きいこととCLVのため、内周を再生してるときはかなりの速度でディスクが回転してなかなの動作音なのがちょっと新鮮です。
●LDプレイヤーのチャッキング不良を解決する
ゲットした個体はLDの両面連続再生は問題なかったのですが、数枚キャプチャしたところでチャッキング不良が多発するようになりました。
どうしたもんかと調べてみると、ベルト交換で改善できるとわかったのでベルトを調達。ブツは秋葉原の千石電商で売っているのでこれを購入。
交換用のゴムベルトは内径30mm、太さ1.5mm角ベルトを使用しました。

ゴム交換と合わせ、トレイ開閉に関わるメカ部にシリコングリスを追加塗布しておきました。
●なんとかして高画質で残したいので可逆圧縮キャプチャを行う
容量には目をつぶり、以下のような流れで行いました。
1)LDから可逆圧縮でアナログキャプチャ(1枚あたり4話収録なので一気に4話分キャプチャ)
2)AviUtilを用いて可逆圧縮を無圧縮へ展開+単話切り出し+ノイズ除去
3)QSVを用いて無圧縮aviからH.264へ圧縮
1の時点で約200GB/LD1枚
2の時点で約150GB/話、約600GB/LD1枚
3の時点で約1GB/話、4GB/LD1枚
編集中は作業性を考えて無圧縮&SSD上で作業しているため、SSDの累積書き込み量がガンガン増えていきます(笑)
・1)LDから可逆圧縮でアナログキャプチャ(1枚あたり4話収録なので一気に4話分キャプチャ)
キャプチャについてはOBS Studioを利用し、可逆圧縮コーデックとしてutvideoを利用しました。
キャプチャデバイスはこれ。
映像接続はS端子ケーブルを利用しました。
音声用のRCAも用意します。(デッドストック品を見つけました)
あとは端子の酸化皮膜を除去するために接点復活剤も調達。
アナログなので大きなコストがかからなく取れる対策は取っていきます。
キャンバスサイズは1440x1080、OBS上から設定できる解像度は720x576と何故か3:2のアスペクト比のため、OBSの「映像ソースを画面に引きのばす」を使って無理やり4:3に合わせています。
(純正キャプチャを使うと解像度がもっと低くなってしまうため苦肉の策・・・)
・2)AviUtilを用いて可逆圧縮を無圧縮へ展開+単話切り出し+ノイズ除去
今はAviUtilも2が出ているようですね。以下のプラグインを使いました。
・utvideo
・NL-Means Light for GPU

・ノイズ除去(時間軸)フィルタ(内蔵プラグイン)
・シャープフィルタ(内蔵プラグイン)
単話切り出しと可逆圧縮の解除、時間方向のノイズフィルタとシャープネスフィルタをかけています。
クロスカラーを低減させるべく時間軸方向のノイズリダクションをかけていますが、多少の低減だけで完全に除去することはできませんでした。。。
・3)QSVを用いて無圧縮aviからH.264へ圧縮
エンコ鯖と言う名のNUCはIntel環境でQSVが使えるため、最終的にはQSVプラグイン出力でMP4に出力します。

●AI高画質化は映像ソースがSD画質だとデメリットが見えてきてしまった
当初はAIパワーでReal-CUGANやReal-ESRGANあたりを通すことできれいにならないかなと思ったのですが、逆に細かいディティールが潰れてしまったりノッペリしてしまってソース画質との乖離を感じてしまったため使用を断念しました。
元動画を切り出したもの:


AI処理させたもの:


●せっせとデジタルアーカイブ化してたら待望のBDが!(ただし1期だけ)
夢じゃ・・・ねぇよな・・・・!
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— NHK スクエア【公式】 (@NHK_DVD) 2025年9月8日
💿NHKスクエア 新譜情報✨その3💿
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本日解禁
『YAT安心!宇宙旅行』 Blu-ray 11月21日発売予定!
行方不明の父親を探すため、宇宙旅行会社の一員になって、宇宙を旅する青年の騒動を描いたSFコメディ。… pic.twitter.com/Gq47SgDfiM
LDで13枚もあったのにBDなら5枚。かなりコンパクトですね。
○1996年10月5日~1997年9月27日に NHK教育テレビ(現・Eテレ)で放送
※このビデオグラムは、1997年~1998年にハイビジョンテレビで放送された素材を使用しております。*ブルーレイ5枚組
*収録時間:1250分/16:9/1920×1080i Full HD/ステレオ・リニアPCM/二層/カラー/5枚組/ブックレット付
ただしハイビジョン放送用の16:9映像がソースということで、ピラーボックスではなく上下を切ったverのようです。オリジナルの4:3のまま高画質化されてたら最高だったんですが。。。
●感想
BD-BOX、とりあえずは買いますが、LD-BOXしかオリジナル4:3の映像ソフトがない状況は変わらないですね。万が一LDが死んでも見られるようにutvideoでキャプチャしたオリジナルデータはNASに保存しておこうと思います(容量的には問題がないので)
ちなみにこの記事を書いている途中で既に取り込んだ分の取り込みパラメータミスが発覚して再度ディスク1から取り込み中です・・・
BD出る前にはデジタルアーカイブ化したいところですね。
しかし四半世紀の時を経てBDソフト化されるとは思ってなかったなー・・・本当に嬉しい。


