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中の人のIYHにいたる顛末と購入レビュー。ときどき自宅システム構築備忘録。

最強充電器、だと思ったら。。。?(Freedy EA1707 Type-C マルチポートチャージャー レビュー)

USB多ポート充電器おじさん。

うん。物は悪くないんだ。そう、わるくはない。

Type-C PD2ポート、1ポート60W以上給電を目指してたどり着いたのがこれでした。

 

以下俺的レビューです。

 

 

●Type-C PD多ポート充電器がほしい

makoro.hatenablog.jp

makoro.hatenablog.jp

 どんどんType-Cデバイスが増えていきます。というか製品を選ぶときの選択肢として

2019年からは意図的に要件に加えています。

コレまでは Ankerの

これを使ってきましたが、Spectre X360が増えたことにより、Type-C PDが2ポート欲しくなり、

新たな充電器を探し始めて流浪の旅を開始しました。

 

●充電器に求める要件

 充電器をリプレースするにあたって、必要な要求は以下の通り。

・Type-C PDは2ポート以上欲しい

・Type-Aポートも1ポート以上はほしい

・Type-C PDのうち、1ポートは最低45W、可能であれば60W以上が望ましい

・Type-C PDのうち、2ポートめは最低18W、可能であれば30W以上が望ましい

・Type-AポートはQuickCharge対応は必須ではない

・Type-C PDの2ポートは、同時に各ポートがサポートする最大出力を出力できること

 

上記を満たす製品だと以下のような製品が候補になります。

www.indiegogo.com

その他、中華製の怪しいやつがAmazon/Aliexpressでいろいろ見つかります。

 

●USB-IFの認証を通っているのか?

Type-Cはこれまでの経験から、認証を通っていないデバイスが世間には跋扈していることがわかっています。

Type-C PDは特にその傾向が強いため、製品選択も割と大変です。注意して選ぶ必要があると考えています。

また、基本的にPDOの仕様が確認できることは最低条件であり、「xxが急速充電可能」と書いてある製品でも、PDOの仕様が確認できないデバイスは、私はそもそも購入候補には入れません。

また、製品選択の要素のうち、USB-IFの認定に通っていることは重要な要素です。これを通っていることは、USB-IFにより最低限の互換性テストに合格しているという証でもあり、

製品の製造メーカーだけでなく、第三者のテストの裏付けがあることになります。

USB-IFに通っているかどうかはUSB-IF公式サイトで検索が可能です。

usb.org

充電器を検索したい場合、MARKETING CATEGORY:Power Brickと選択すれば見つかります。

なお、先に上げた充電器のうち、Freedy/Satech/MOBOの3つは認定を取得済みです。

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認定ありということもあり、EA1707に決定しました。


●購入、外観

 

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付属品はメガネケーブル、C-Cケーブル、ポーチ、説明書です。

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説明書の訂正も入っていました。

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ポートは左からType-C(60W)、Type-C(30W)、Type-A(QC3.0)、Type-A(QC3.0)となります。

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最初は大きいかなと思っていましたが、代わりに厚みがない分、カバンの中に入れる際にはポケットから出っ張らないのでその点は○ですね。

 

●各ポートの出力、規格チェック

 お次はAVHzY CT-2を使った各ポートのチェック。

チェックに用いているType-Cケーブルは、記載がない限りエレコムのUSB3-CC5P05NBKを利用しています。

←Type-C(60W)|Type-C(30W)→

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60Wポート:5V@3A/9V@3A/12V@3A/15V@3A/18.9V@3A/20V@3A

30Wポート:5V@3A/9V@3A/12V@2.5A/15V@2A/20V@1.5A

60WポートでPDOに含まれている18.9Vは

・仕様表および外装箱には記載がない

・本体にも表示がない

PDOであり、表示通りとなっていません。

 

なお、30Wポートに関しては仕様どおりの表記でした。

お次はHot VBUS。

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一応Hot VBUSとはなっていませんでした(PlugableのType-CワットチェッカはHOT VBUSになっていると液晶表示が出る仕様のため、表示が出ていない=VBUSにはなっていないと判断しています)

また、Type-Cポートの充電対応規格についても調べました

←Type-C(60W)|Type-C(30W)→

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PD以外にQuickChargeに対応していると表示されています。。。。

CT-2の誤判定なのか、本当に対応しているのかは他のアナライザを持っていないので不明ですが、こちらも残念要素ではあります。

 

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Type-AポートはApple/USB-BC/QC2.0/QC3.0/Samsung-AFC/HUAWEI-FCPの対応でした。

 

最後に付属のC-Cケーブルもチェック。

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E-Markerは搭載されていませんでした。

充電専用、かつ3Aまでと考えたほうが良さそうです。

ちなみに同時に買ったエレコムの(私が)信頼をおいているケーブルは以下の通り。

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USB3.1 Gen2 5A、Full-Feature Cableなので、仕様的にはUSB3.2 Gen2x2まで可能なはず。

 

 オマケ:3ポート使って最大負荷付近まで給電テスト

Type-C(60W):Spectre X360 13(PD,60W給電中)

Type-C(30W):Pixel3 XL(PD,18W給電)

Type-A:Moto Z2 Play(QC3,12W給電)

90W給電でも問題なく動作しました。ただし、そこそこの温度になるので、風通しの悪い場所で使わないほうが良いと思います。

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●よろしくない点

・Type-CポートのPDOが仕様表と違う

60W出力可能なポートのPDOに仕様表にない出力が含まれており、製品に偽りありの状態です。

実際問題としては18.9Vは選択されることが少ないオプション電圧であること(Power Rule必須電圧ではないこと)、より高出力な20V@3Aがサポートされていることを考えると実使用上は問題になることはなさそうです。

が、誤記は誤記。正しく記載されていないのはダメです。

 

・Type-CポートでのQuickCharge対応

こちらもSpecification認定上 よろしくない挙動です。Type-CポートでPD以外の急速充電規格(電圧を変更する急速充電規格)はサポートすべきではありません。

CT-2の誤判定なのかどうかは別のアナライザがないため判定ができませんが、サポートしているとするとこちらも挙動としてはダメです。

 

USB-IF認定にそこそこ信頼をおいていたのですが、ちょっと懐疑的になる結果になりました。

SatechiやMOBOの充電器で試してみたいところではありますね。

 

・発熱について 

 EA1707に搭載されているDC-DCコンバータである共振 LLC ハーフ・ブリッジ DC/DC コンバータ(Resonance Half Bridge Converter/Curcuit)のせいなのか、その前段にあるAC/DCコンバータ(こちらは半波整流なのか全波整流なのか情報なし)かはわかりませんが、

微小電力でを充電するとき(充電完了付近、Fitbit Charge2やBTイヤホンを充電する場合)に不自然に発熱が発生します。

 


[e-Learning] Resonance Half Bridge Converter - Basics of Switching Power Supplies (7)

 

 発生する熱=無駄に消費されているエネルギー、なので、微小電流充電時の謎の発熱はあまりよろしくない挙動です。

これまでに所有してきた充電器は充電電流が減少するにつれて発熱も減少していただけに、少々不可解です。尤も、異常なほど発熱するわけではなく、触ると温かいとわかるレベルの発熱なので、こちらも実用上問題はありません。

 

・まとめ

多少気になる点と、USB-IF認証品と考えるとその挙動はどうなんだ?という点はありますが、現時点では貴重なType-C PD60W1ポート以上&Type-C PD2ポート搭載&計3ポート以上搭載の充電器だけに、他に選択肢が殆どないという現状を鑑みると、しかたないのかもしれません。

 

よろしくない点は手持ちの機材構成だとほぼ無視できる、ということを加味し、

ノートPC、スマホ、モバイルバッテリの充電器を1台で賄うことができるのは(気になる点があるにしろ)魅力的です。出張時などではスマホと充電器の共用ができるので荷物が減ります。

 

Ti含め、各社が多ポート対応のPDコントローラを昨年よりサンプル展示しているので、

もう少しすればType-C 多ポートが当たり前になる時代が来るかもしれません。

とりあえずその次代が来るまで、ひとまずこの子に頑張ってもらいます。