仕事で使用しているNas4Freeがあまりにも使いやすく、
かつそろそろ自宅にもNASを、と考えていたので
宅内NASを構築した記録です。(足掛け3ヶ月ほどかかりましたが)
使用したのはHP MicroServer(N54L)です。
新世代のGen8はCPUが強くなったものの、5インチベイがなくなっているため
あえてN54Lモデルを選択しました。
■購入パーツ(MicroServer以外のパーツ)
・NIC:Intel Pro1000/PT Dualポートサーバアダプタ ※LowProfileブラケット確認を忘れずに(下記amazonの製品はついていない模様)
中の人はブラケットをDIYするという力技で対応。
インテル PRO/1000 PT デュアルポート サーバ・アダプタ EXPI9402PT
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・リモートアクセス:MicroServer用RAC
HP Micro Server Remote Access Card 615095-B21 ProLiantMicroServer用 リモートアクセスカード
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・HDD:東芝3TB(DT01ACA300) x5
MARSHAL 東芝製 3.5インチ SATA-HDD Maシリーズ 3TB DT01ACA300BOX
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・メモリ
SanMax DDR3-1333 8GBx2 (Elpida)
公式的には8GBまでの対応ですが、16GBを入れたら動いたので16GBを選択しました
HackBIOSだからなのか、このメモリモジュールだからなのかは不明です
(16GB動いていない人もいるみたいなので)
・5インチベイ用HDDアダプタ:Scythe 氷室
Nas4FreeはUSBブートのため、5インチベイにもHDDを搭載します。
ただそのままマウントアダプタ搭載では温度的に心配のため、
冷却性能を持った氷室を選択しました。
最初はファン付きのリムーバブルケースも検討したのですが、
価格もろもろの折り合いがつかず、こちらを選択しました。
温度が内臓ベイと大きく変わらないため、結果的にこちらを選んで正解でした。
今回はNas4Free(http://www.nas4free.org/)を利用してNASを構築しますが
HDDを最大限に利用するため、USBブートでNas4Freeを起動します。
2GB程度のUSBメモリであれば十分使用できますが、
今回はOwnCloud構築まで見据えて、16GBを選択。
常時挿しっぱなしになるので、飛び出しが少ないものを選択。
サンディスク Sandisk USB フラッシュメモリ 超小型 Cruzer Fit CZ33 16GB 海外パッケージ品
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・その他
5インチベイにHDDを搭載する際はSATA電源コネクタがありませんので
必要に応じて4ピンペリフェラル電源コネクタからの変換ケーブルも用意しておきます。
●Step1)MicroServerへのHackBIOSの導入
MicroServer標準のBIOSでは5インチベイのHDDがIDEモードでしか動作しないため
有志の方が作成されたHackBIOSを導入し、AHCIで動作できるようにします。
http://d.hatena.ne.jp/ryousanngata/20121021/1350824335
http://blog.t-toy.net/?eid=994057
http://www.avforums.com/threads/hp-n36l-n40l-n54l-microserver-updated-ahci-bios-support.1521657/
このあたりを参考に、HackBIOSイメージを公式のアップデーターを使って
MicroServerに適用させます。
起動時のBIOS画面で、「TheBay」と表記されていれば成功です。
その後、BIOS画面から 5インチベイの設定をAHCIに変更しておきます。
●Step2)パーツ組み込みパーツ組み込み
RAC、NIC、HDD(うち1つは氷室内に入れて5インチベイへ)、
メモリを筐体へ組込みます。
●Step3)Nas4Freeイメージを作成
Nas4FreeのSourceforge(http://sourceforge.net/projects/nas4free/files/)から
x64のembeddedイメージをダウンロードし、拡張子を.tarに変えて
gzipが解凍できるソフトで解凍し、DD for Winを使ってイメージをUSBに書き込みます。
●Step4)Nas4Free初期設定、およびZFSストレージプールの作成
USBメモリからNASが起動したら、CLI上でInterfaceの指定、
その後、GUI上より
・Disk→Managementで「Import Disk」を行いNas4FreeにHDDを認識させる
・Disk→Formatで対象HDDを「ZFS strage pool device」を選択しフォーマット(今回は5発全て)
・Disk→ZFS→Pool→Virtual Deviceにて、ZFSフォーマットしたHDDを選択し、
好みのTypeを選択し、VDを作成(今回はSingle-Parity RADI-Zを選択)
・Disk→ZFS→Pool→Managementにて先ほどのVDを選択し、プールを作成。
・Disk→ZFS→Datasetにて、お好みのデータセットを切り出し。
旧来のファイルシステムでいうと
・HDDの集合体→Virtual Device(VD)
・VDを切り出せるようにしたプール空間→Management(ストレージプール)
・Managementから切り出した個々のパーティション→Dataset
という感じで、パーティション=データセットと考えればOkです。
データセットはいくらでも小分けに切り出せますし、クォータなども自由自在ですから
必要なときに確保したり、特定用途向けにクォータを設定したりすることが可能です。
●Step4)ADとの認証連携、およびSambaのサービス設定
Datasetにて共有領域の確保が行えたら、いよいよSambaの設定を行います。
まずはファイルサーバへ書き込みを行うときのアクセス権を、
AD環境と連携させるためにAD連携を行います。
Access→Active Directoryより、ドメイン名や連携用アカウントを入力しsaveすると
AD側にDomain ComputerとしてNas4Freeマシンが登録されます。
その後、Service→CIFS/SMBよりSamba関連の設定を行います。
・認証はActive Directory
・DOS CharsetはCP932
・Password ServerおよびWINS ServerはADのDCを指定
その後、Shareタブで共有するディレクトリを指定します。
ディレクトリは切り出したDatasetを指定すればOKです。
この状態で、ADに参加しているマシンからNas4Free上の共有ディレクトリを開くと
AD側で自動で認証処理が行われてID/Passを聞かれずに表示されるはずです。
これでNASとしての最低限の機能が動作していますので
残りは別エントリとします。
●残項目
・OwnCloud導入
・ステータス表示用キャラクタディスプレイの制作