Think threshold

中の人のIYHにいたる顛末と購入レビュー。ときどき自宅システム構築備忘録。

GPD Pocket(やっと)着弾! 使い勝手とか感想とか。

首を長くして待ちに待ったGPD Pocket、やっと着弾しました。

本エントリはIndiegogoで出資した、GPD Pocketのリワードである本体の

私的ファーストインプレッションレビューです 。

なお届いた筐体は初回ロットの不具合対策品(という話)です。7月になっちゃった。

届いたのは7/18ですが、20から北海道旅行だったため、持ち出した感想も含みます。

GPD Pocketと北海道新幹線グランクラスの和軽食と。グランクラスの席に両方置けるって素晴らしい。

f:id:makoro2_0:20170726182132j:plain

 

 出資したのはこれ。出資の返礼品として1台本体がもらえるコースだったため、

その返礼品が届いた、というわけです。

makoro.hatenablog.jp

 

 

 

●まずは開封、外観、初期不良の有無

まずは開封の儀。

 

f:id:makoro2_0:20170726182825j:plain

f:id:makoro2_0:20170726182838j:plain

 

筐体外観。質感は中華と思えないほどよい。

 

色んな所で報告されている初期不良は特にありませんでした。

これだけは非常に心配だっただけによかった。

「GPD Pocket」が届いたら、まず初めに確認しておきたいこと! - とんちき録

 

●ナニハトモアレ

 届いてよかった。ほんとうに。

特に荷物を減らしたいがために、今回の北海道旅行に持っていきたかったため

なんとか間に合ってよかったです。

 今は週に3回近く出荷報告がされているので、多少は歩留まりがよくなったのでしょうか?

 

●画面のスケーリングについて

 もともと216ppiのSurface Pro3をDot by Dotで使っていることもあり、

画面のスケーリングは125%に設定した。

Surface Pro3よりドットが細かいですがまぁ何とかなれればイケる範囲でしょう。

  

●KBの打ち心地

変則配列なので慣れは必要だけど、打鍵感も悪くなく個人的には及第点。

なお、BSとDelは入れ替える予定です。

乳首クスロール(言い方ァ したいので、マウスの中ボタンは何かしらのキーに割り当てたいですね。不便すぎる。

 

 

乳首トラックポイントの互換について

 互換があると言われている乳首トラックポイントへ交換。

最初は純正で頑張ろうかと思ったんですが、Lenovo公式でセールだったこともあり

GPD Pocketが届かないのでムシャクシャして買った。反省はしていない。

あとセール品だったから2個買った。2個来ると思ったら20個来たので、山ほど予備ができてしまったw(←アホ)

 

使用感(感触)については、うん、ThinkPadトラックポイント、って感じ。

乳首のさわり心地は上々♪(言い方ァ

純正と形状、単体時の剛性はほとんど変わらないにもかかわらず、

本体に装着時の操作感は雲泥の差。流石IBMから続いてる伝統の乳首だけある。

 ちなみにセンターボタンが無いのでスクロールについては後々いい方法を検討します。

 

●LPDDR3の速度について

カタログ上は1600が搭載されているようですが、1066の個体が確認されている模様。

手持ちのは・・・?

CPU-Zでチェックしたところ、やっぱり1066でした。

後々のBIOSアップデートで1600になるんですかね・・・? 

 

●電源アダプタ

 今回購入したのはおなじみAnkerのこれ。

30Wまでの給電に対応しているはずなのに、45W給電可能と通知しているようで

おそらくUSBーStadardAのポートと同時に使用して60W超えると死にそうな気がします。

(手持ちのワットチェッカーでMBP Late2016とセットで試したところ、40W程度は

給電できているのを確認済みです) 

GPD Pocketと組み併せてみたところ、9V2Aで前後で供給されました。

(電源ON時。OFF時は5V2Aで供給)

 

  1ポートは↓のようなアダプタで良いと思います。

Amazonレビューでかなり詳細に検証されている方のWebを見る限り

規格に適合しているようですし安心ですね。

hanpenblog.com

 

なお付属のアダプタは、電圧仕様が「5V,9V,12V」となっており、

USB PD rev2.0の本来の規格とは適合していないようです。

(調べていくと、PD rev1.0では12Vがあったようですが、2.0になって外れた模様)

 

しかし、(一応)PDのSOP/VDO(Vendor Data Object)は出しているようです。

調べている人がいました。

 

 

 

(私もPDのパケットアナライザ欲しい。。。) 

とは言っても、仕様準拠ではないのとPD動作時はいい感じに発熱するので

私は付属のアダプタを使わないようにしようかと思います。

自宅ではMicroB→Type-C変換でマッタリ充電しても良いかなと。

 

ケーブルは↓これを利用。ツブシが効くように、Tb3.0の40G&PD 100W給電に

対応したUSB-IF認証通過品(50cm)をチョイス。

 

GPD Pocket含む、60Wまでの給電環境のみに利用するなら

3Aまでの対応でも問題ないので、尼ベーシックでもよいかも。

Amazon.com: AmazonBasics USB Type-C to USB Type-C 3.1 Gen1 Cable - 3 Feet (0.9 Meters) - Black: Computers & Accessories

 日本尼だと詳細なスペック載ってなかったのでUS尼のリンクも貼っておきます。

3A、USB-IF承認済み。

5V3Aと記載があるが、USB Full-feature Cableは電圧の規定がないはずなので、

認定取っている限り20V3Aでも大丈夫だと思われる。

 

充電はネゴシエートの結果、以下のような結果となりました。

Anker PowerPort+5 USB Type-C PD:電源ON時9V2A、OFF時5V2A

Anper PoertPort4:5V2A(Miro-Bレセプタクル→Type-Cプラグ利用)

 

Flicker投稿から判別できる内部の情報

GPD PocketはWINと同じであれば、技適は工事認証と思われる。

その為裏蓋開けると厳密には無効になってしまう可能性があり、

開けて内部観察したかったが開封はNG。

そこで有志の人が分解した画像から判明できた情報をメモとして記載しておきます。

 

参考:GPD Pocket Teardown | Flickr

 

 ・WiFi BTコンボチップ:AP6356SDPR
  WIFI + BT Combo
  WIFI 802.11abgn/ac + BT4.1
  MIMO 2x2 Antenna
  WIFI : PCIe
  BT : UART

http://www.unieltech.co.kr/u1/index_n.php?gopage=prdt

 

・USB Type-C マトリクススイッチ:PI3USB30532ZLE

PI3USB30532 (Analog Switches) | Diodes Incorporated

http://datasheet.octopart.com/PI3USB30532ZLE-Pericom-datasheet-42661219.pdf

DP1.2とUSB3.0のマトリクススイッチの模様。

 

・オーディオ:ALC5645

→データシートが怪しいサイトしか見つからず。。。

Lenovoのドライバーなら発見。

Realtek ALC5672 / ALC5645 オーディオ ドライバー (Windows 10 64bit/ 8.1 64bit) - ThinkPad 10(マシンタイプ 20C1, 20C3)

 

・eMMC:この分解画像だとSamsungですね。

KLMDG8JENB-B041 - eMMC | Samsung Semiconductor Global Website

 

DRAM:現Micron Memory JapnのLPDDR3-1600。

刻印はElpidaですな。

Micron Technology, Inc. - EDFA232A1MA-GD-F

 

●気になる点

・電源ONでないとUSB Type-C PDがうまく動作しない

・電源ON時、充電完了状態(バッテリ残量100%時)になっても、Type--Cポートの受電電流が低下しない(普通は充電が停止するはずなので電流値は下がるはず)

・測定してみると、Type-CがSink&DFPの時、どうやらバッテリ給電時は5V 500mA程度しか給電されてないようで、特定のType-Cハブが電力不足で切断っさsれる事象に遭遇

・Type-Cはデータ通信/充電排他制御という話だが、手持ちのエレコムの↓

 

 

だとデータ通信しながら充電できた(正確にはバッテリ残量増えないがhub取り外した瞬間に残量増える謎現象)ので、非常に挙動が謎。

公式は充電しながらの使用を推奨しないとどこかで見た記憶があるので、

理由はこのあたりの挙動にあるのかも、と思ったり思わなかったり。

  

クラウドファンディングを初めて終えての感想

なんとか物が届いてよかった。北海道旅行にギリギリで間に合うウルトラC

直前まで諦めていただけに、届いたときはうれしかったですね。

(アップデートセクションへの投稿がない7月上旬のタイミングで見事に熱が冷めた)

 

 全体を通しての感想は「もう少しちゃんと情報を出してほしかった」かな。

遅れるのは出資後に開発してるわけなので仕方ないとしても、

出資者に対してはちゃんとアップデートしてほしい。情報があれば納得して待てる。

 

今何が起きていて出荷を止めているのか、出資者に通知する義務はあるんじゃないの、と思う。

そしてそれを出資者全員に届くUpdateセクションに書かず、コメント返信で書くのも悪手だな。言ってることコロコロ変わるし。

コメントにしか情報出せない→同じ事質問する人多数→更にコメントが流れる

の無限ループが起こってた。

 

それともUpdateセクションに悪いことは書かない、ってスタンスなのかな?

ま、契約ではないから法的根拠は何もないけども。

 

Ali/Geekbyingでの先行販売を含めて、

中国の商習慣が痛いほどよくわかった出資になった。

先行予約ではないにしろ出資特典として1台もらえるのがウリなわけで。

 

製品が既に完成していて一般ストアで販売されているのであれば、

そりゃ出資者に優先して出してくれよと考えるほうが一般的なのでは。

日本だけじゃなく世界レベルでいつ発送されるのかというひといっぱい居たし。

 

次は・・・まぁ出資者を優先してくれないGPDには出資しないんじゃないかな(

二度ある事は三度あるだろうし。

GPDで欲しいプロダクトがあったら、販売始まったタイミングで

素直にAliexpressで買うと思う。それが一番早いしね。

 

初めての対中国クラウドファンディング、色々と勉強になってよかった。

強制力がない「約束」についてもよくわかった。

モノがいいだけにそこの残念さがものすごく際立ってしまう。

点数:製品90点 + 公式の一連の対応-50点 = 40点、みたいな感じ。

モノが無事届いただけでもよしとするわ。これで不具合あったらものすごく大変だっただろう。

 

●おまけ

技適に関して

総務省|特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則の改正案に係る意見募集の結果

 来年度より、技適取得時(WiFi/BTあり、工事設計認証、3G/LTEモデムなし)の提出内容に追加項目が発生する模様です。GPD Pocketが来年度開発だったらこれに該当していることになります。

技適は車の免許と同じく、国内で使うには必要になる認定ですが、

提出書類が増えるということはクラウドファンディング含め、

取得コストが増えそうな感じではありますね。

 

技適マーク無しでも「無線機能がオフであれば合法」なのか、総務省に聞いてみた | Tools 4 Hack

要は「物理的に空中に対して電波を放出しないようにせよ」ということですね。

ソフトウェア的なOFFではNGで、無線モジュールをぶっこ抜くか、アンテナ線を取り外してWNICにダミーロードをつけていればOKってことでしょう。

 

 電波法第80条 - dskwiki

なお、技適厨とか言っている人もありますが、無線従事者免許をもっている人は

上記電波法第80条により、総務省総務大臣)へ通告の義務があります。

makoroさんは無線従事者免許持ちのため、通告義務があるとともに

技適なし端末(厳密にはモジュール)を使うことは絶対にできません。

今回は取ってくれてほんとうにラッキーでした。ポート塞がるのイヤだし。

 

 

 ちなみに技適は車の免許と一緒なので、「小電力だから大丈夫でしょ」とか「他の無線局に多分影響を与えないから大丈夫」という論理は通用しません。

「ちょっとそこのコンビニに行くだけだから無免許で車を運転する」がNGであるのと同様に、「小電力だから技適なしモジュールで電波を出しても良い」もNGです。

 

そろそろ時代に則した柔軟な法制度へ変更をして欲しいとは思うけども。

(FCC認定取っていることが確認できれば、届け出だけで済むように改正して欲しい感)

 

ルールを守って正しいモバイルライフを。