イヤホン自体は多く買うけど、イヤホンケーブルにハマるとは思わなかったよ
(親指を立ててケーブル沼に沈んでいきながら
・・・はい、ケーブルが俺仕様でなかったのをいいことに、
自作するという方法で解決しました。ナイスDIY。
手持ちのイヤホンはSE535IEM(SE535LTDをIEM化した物)とUE900sが
MMCXコネクタを搭載しており、ケーブルの交換が簡単に行える構造になっています。
このメリットを活かしつつ、自分が要求する仕様で作ったら、
コスパよく満足度の高いイヤホンが作れるのではないか?と考え、
一度「自作イヤホンケーブル」なる世界に手を出してみることにしました。
幸い半田付けに必要なセットは一式持ってるしね。
●要求仕様
折角作るのだからコダワリたい。ということで以下のような仕様で作ることに。
- DAP/スマートフォンを胸ポケットに入れるため、ケーブルは80cm前後
- 解像度を高めるための素材を選択
- 将来の機器買い替えを見越し、機器側側コネクタは2.5mm 4極プラグとする
- AKピンアサイン、バランス接続とする
- 現状の機器で利用するため2.5mm 4極(バランス)→3.5mm 3極(アンバランス)の変換アダプタを作成する
- ケーブル自体は耐久性を高めるため、スミチューブ(熱収縮チューブ)で覆う
- 価格と品質のバランスが取れた端子を利用する
で、用意したものが以下の通り。
- オヤイデ 純銀より線
- オヤイデ MMCXコネクタ(メタルシェル)
- Aec 2.5mm 4極プラグ(ストレート)(オヤイデで購入)
- オヤイデ リケーブル用分岐キット
- 2.5mm 4極ジャック
- VIABLUE T6S 3.5mmステレオミニプラグ
- スミチューブ 2mm、3mm、6㎜(だったかな?、サイズは現物合わせで)
- 0.5mm ステンレス針金
●制作
まずは編み編みします。
4極端子→分岐部分は4つ編み、分岐部→MMCXは2つ編み(ねじっただけ)です。
端を固定するには↓のような首振り可能なバイスがあると便利です。
ちなみに、80cmで切って編んだところ、
70cm少しと予想以上に短くなってしまったので
目標ケーブル長+10cmほどの余裕を見ておくとよいと思います。
(5cmくらいしか見てなかったら予想以上に短くなってしまった)
ねじったらスミチューブを装着し、ライターで炙って固定します。
スミチューブを焦がさない、火事にならないように注意。
(解けないようにする+耐久性向上が目的)
MMCX端子側には5cmほどに切った針金と一緒にスミチューブで固定。
針金を入れたのはイヤホン端子側のケーブル調教用です。
ちなみにライターは同僚の喫煙者に貰いました。(非喫煙者並の感想)
(提供者曰く「よく無くすからタバコ買うときに買っちゃう、
でも後で出てくるからいっぱいある」とのこと)
余談:ちょうど同僚がiQOSへ移行したのので、新品同様の100円ライターを何個かくれました。数本は作れそうです。
●2.5㎜4極プラグ、2.5㎜4極バランス→3.5mm3極アンバランス変換アダプタ作成
(左上:2.5mmプラグのピンアサイン、左下:3.5㎜プラグのピンアサイン、右:2.5mmジャックのピンアサイン)
今回はAK仕様の2.5mmプラグにするため、ピンアサインは以下の通り。
・2.5mm 4極プラグピンアサイン
1:R-
2:R+
3:L+
4:L-
参考:Astell&Kern AK380|お客様サポート|iriver Japan
同様に、3.5mm3極ステレオプラグのピンアサインは以下の通り。
・3.5mm 3極ステレオミニプラグ(アンバランス)ピンアサイン
1:L+
2:R+
3:GND(L-/R-)
変換アダプタは、L-/R-を共通(-,GND)に落としてやればいいので、
・変換アダプタの配線
2.5mmジャックピン番号→3.5mmプラグ番号
1→3(R-→GND)
2→2(R+→R+)
3→1(L+→L+)
4→3(L-→GND)
とすればOK。
・作成
作成した2.5mmプラグ。はんだ付けが至難の業。
予備はんだをケーブルとプラグ側に乗せ一気にやりました。
またケーブル側は曲げに耐久性を持たせようと思い、
スミチューブを3重にしてプラグのケーブル許容径ギリギリにしてあります。
当然ですがプラグの外装部(スリーブ部)を先に通しておくのを忘れずに。
ちなみにオーディオ用はんだは使ってません。
あれは手を出したらアカンやつだと思っています
配線した変換プラグ。こちらはプラグが大きいだけあってまだやりやすい。
こちらも予備はんだ作戦が有効です。
VIABLUEのケースに収めたらこんな感じ。
ジャック側から見るとセンター出てないですが、そこは妥協しました。
どちらも正常にはんだ付けができてることをテスターで確認したあと
↓のような接着剤で絶縁を兼ねたネチョ固定を行いました。
スリーブに収まりきらなくなるので、過剰なネチョ固定はNG。
つまようじ作戦で塗布します。
●MMCX側コネクタの作成
MMCX側のコネクタのピンアサインはいたって簡単、
・MMCXコネクタ ピンアサイン
センターピン(内部導体):+(L+/R+)
外周部(外部導体):-(L-/R-)
今回も予備はんだ方式で。
事前に
・太いスミチューブ(6mm)
・MMCXコネクタのスリーブ
・細いスミチューブ(3mm)を
・ケーブル分岐部パーツ
をケーブルに通しておき、テスターでケーブルのアサインを確かめながらはんだ付け。
はんだ付け後はプラグ部と同様、ボンドでネチョ固定+細スミチューブで端子を固定。
その後外装を取り付け、さらに外装を半分覆うような形で最外部にもスミチューブを
被せました。これで少しは接続部の耐久性が出るかなと思います。
●完成、試聴
ケーブルのピンアサイン、導通、ショートをすべての端子で念入りにチェックした後
いよいよ試聴です。
・試聴結果
ハイハットが私の好きな鳴り方してて非常にグッド。
曲によっては少しサ行が刺さる感じも受けますが、ここは好みかなと。
少なくとも自分には不満なし。バイアスが入ってるのは否定しませんが(笑)
初銀線のイヤホンですが、解像度は自作した割には高くてナイスですね。
UE900sとの組み合わせがお気に入りです。
自作イヤホンケーブル、仕様が完全に俺仕様になるのと、愛着もてていいですね。
それに(同じ音質とはいいませんが)数万円するようなリケーブルと
同じ「仕様」のケーブルが低コストで手に入ります
(今回のALL銀線、変換アダプタ込みで6kほどでした)
はんだ付けは練習すれば誰でもできると思うので、俺仕様ケーブルが作りたい人は
レッツチャレンジ!